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虎の巻|はじめに

痛風の歴史は古くまた高尿酸血症は痛風関節炎、痛風結節、痛風腎などの尿酸塩沈着症の病因として古くから論じられてきました。尿酸塩沈着症としての痛風の治療は薬剤治療により進歩し、痛風腎で死亡するケースはほとんどなくなったと言われています。しかしながら、近年、ライフスタイルや環境の変化に伴って、高尿酸血症の患者は確実に増加しており、さらに若年化の傾向が顕著に現われています。また、高尿酸血症が痛風の病因という側面のみならず、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病などの生活習慣病や慢性腎臓病(CKD)と密接な関連性をもち、生活習慣病や心疾患のマーカーとして、または、動脈硬化を進展させ、心血管疾患のリスクを高める可能性についての報告が増え、注目を集めるようになってきました。痛風発作は、激痛によりQOLを悪化させる疾病ですが、直接命にかかわることはないため、発作がおさまった後の高尿酸血症や、痛風発作を起こしていない状態での高尿酸血症についての積極的な治療が進んでいない現状があります。しかし、高尿酸血症と他の生活習慣病やCKDとの関連性が示唆されている現在、『高尿酸血症』についてあらためて理解を深めることは、とても重要なことだと考えます。
今後、高尿酸血症のみならず、生活習慣病やCKDを合併する患者は益々増えていくと思われます。そういった日常診療の中で、このコンテンツが高尿酸血症に対しても積極的な診療を行っていくための手助けとなれば幸いです。

東京女子医科大学・教授
附属膠原病リウマチ痛風センター・所長
山中 寿

痛風関節炎 痛風腎 痛風結節 尿路結石 CKD 肥満 高血圧 脂質異常症 糖尿病 動脈硬化 虚血性心疾患・脳血管障害
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