開発の経緯

開発の経緯

高尿酸血症は、痛風に代表される尿酸塩の沈着に基づく諸症状(痛風関節炎や痛風結節)の原因として知られています。血清尿酸値が高いほど将来の痛風関節炎の発症率が高く、腎障害がもたらされることから、高尿酸血症による諸症状を早期に解消し再発・進展を防止すること、更には諸症状が顕在化する前段階から治療することが重要です。また、近年、高尿酸血症は生活習慣病の一つとして、高血圧や脂質異常との関連性、メタボリックシンドロームのマーカーや動脈硬化の危険因子としての可能性を示唆する報告が増えており、治療の重要性が高まってきています。
更に、悪性腫瘍に対して化学療法が行われた場合には、アポトーシスに陥った腫瘍細胞の核酸、タンパク、リン、カリウムなどが大量に血中に流入する結果、高尿酸血症、電解質異常、腎障害から多臓器不全をきたす腫瘍崩壊症候群(Tumor Lysis Syndrome:TLS)を発症することがあります。このため、化学療法の実施に際しては、その発症を抑制することが重要であり、対策の一つとして血清尿酸値を適切に管理することが推奨されています。

高尿酸血症の治療は、尿酸降下薬による尿酸降下療法が中心ですが、これまで使用できる薬剤の選択肢が限られていました。帝人株式会社(現 帝人ファーマ株式会社)は、尿酸降下薬に新たな選択肢をもたらすことが高尿酸血症治療の進展に寄与すると考え、1988年より自社において尿酸降下薬の創薬研究に着手し、1991年にプリン骨格を有さない新規キサンチンオキシダーゼ阻害剤フェブキソスタット(febuxostat)を発見しました。本邦では、1995年からフェブキソスタットを主成分とするフェブリク®錠の第Ⅰ相臨床試験が開始され、以降、第Ⅱ相臨床試験、第Ⅲ相臨床試験を経て、2010年に長期投与試験が終了しました。フェブリク®錠を投与した合計1,027例の痛風を含む高尿酸血症患者を評価した結果、日本人の痛風を含む高尿酸血症患者に対する有効性及び安全性が確認され、2011年1月に「痛風、高尿酸血症」の効能・効果で製造販売承認を取得しました。
その後、本剤はキサンチンオキシダーゼを阻害することによって尿酸生成を抑制することから、腫瘍崩壊症候群における高尿酸血症の発症を抑制することが期待できたため、TLS panel consensus1)に示されている腫瘍崩壊症候群リスク評価のアルゴリズムを参考に設計した第Ⅲ相臨床試験を本邦で実施しました。その結果、化学療法施行予定の悪性腫瘍患者に対する有効性及び安全性が確認され、2016年5月に「がん化学療法に伴う高尿酸血症」の効能・効果で追加適応を取得しました。なお、欧州では2015年4月に「成人造血器腫瘍患者の化学療法に伴う、中間から高リスクの腫瘍崩壊症候群に対する高尿酸血症の予防及び治療」の効能・効果で追加適応を取得しました。

2016年3月現在、本剤は欧米、アジアなど世界57の国と地域で使用されています。

1) Cairo MS, et al: Br J Haemtol 2010; 149(4): 578-586.